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沖縄知事、官邸で首相に抗議 — 米海兵隊員の強盗殺人事件、「協議会を早く開け」

沖縄県の古謝玄太知事は10月7日、首相官邸で高市早苗首相と面談し、那覇市のホテルで起きた強盗殺人事件で在沖米海兵隊員が逮捕されたことに抗議した。知事は、基地負担の軽減を協議する沖縄政策協議会の早期開催と、実効性のある抜本的な再発防止策を求め、県が繰り返し再発防止を求めてきたにもかかわらず事件が起きたとして、米軍の綱紀粛正や人権教育が機能していないと批判した。首相は協議会について「適切に対応する」と応じた。木原稔官房長官が同席した。事件は3日未明に発生し、39歳の女性が首を絞められて窒息死し、財布などが奪われた。米軍普天間基地所属の海兵隊上等兵(20)が4日未明、強盗殺人容疑で逮捕された。首相は5日の国会で「凶悪な事件の発生は極めて遺憾。米側に強く抗議し、捜査への全面協力と綱紀粛正、再発防止の徹底を求めた」と述べた。那覇市議会は6日、再発防止と日米地位協定の抜本改定を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決。県議会の米軍基地関係特別委員会は9日の本会議で全会一致の抗議決議を目指し、素早い超党派合意を優先して海兵隊の移転・撤退要求は外し、地位協定は「見直し」から「抜本改定」へ表現を強めた。自民党内からは「抗議だけで終わっていいのか」との声が出たとTBSが伝えた。ニューヨーク・タイムズは在日米軍の7割が集中する沖縄で駐留への懸念が再燃しかねないと報じた。

知事が上京して首相に直接抗議するのは、県として最も重い形の意思表示だ。要求が「協議会の開催」という制度の話に絞られているのも注目点で、感情ではなく手続きで政府を縛ろうとしている。そして与党内からも「抗議だけでいいのか」の声が出た。これは地位協定の運用改善が政治日程に乗る可能性を示す。

本土の読者には遠い話に見えるが、日米地位協定は全国の基地に共通する。沖縄で運用が変われば本土の基地周辺にも及ぶ。それと、米兵の身柄をどの時点で日本側が持てるかという「起訴前の身柄引き渡し」は、過去の事件のたびに論点になってきた。今回は日本の警察が逮捕しているので、その論点は表に出にくい。

県の要求は具体的で現実的だ。協議会の開催と再発防止の点検は、政府がすぐにできることだ。

事件のたびに協議会を開き、綱紀粛正を約束し、また事件が起きる。構造を変えないなら、会談そのものが儀式になる。地位協定の改定に踏み込む覚悟が政府にあるかが問われる。

きょうの一文は「適切に対応する」。首相はこう答えたが、日付は言っていない。見るべきは、協議会の開催日が今週中に示されるか、そして9日の県議会決議の文面に「抜本改定」が残るか。この二つが出れば、今回は過去と違う。

DailyDrop 日本版 第3号・2026年10月7日 朝刊

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