那須町長選、「当選無効」の裁決を東京高裁が取り消す。名字と名前が混ざった票の扱いで再逆転
栃木県那須町で3月22日に投開票された町長選では、現職の平山幸宏氏が5,099票を得て、次点の小山田典之氏を1票上回り当選した。小山田氏側の申し立てを受けた栃木県選挙管理委員会が全票を再点検した結果、小山田氏の得票が平山氏を2票上回ったとして、平山氏の当選を無効とする裁決を出した。争点は「平山のりゆき」「小山田ゆきひろ」のように両氏の名字と名前が混ざった混記票の扱いだった。県選管は、名字からどちらに投票したか判断できると主張していた。平山氏側は、どちらに投票したか確認しにくい票は無効にすべきだとして、裁決の取り消しを求めて東京高裁に提訴した。東京高裁(江原健志裁判長)は10月8日、県選管の裁決を取り消す判決を言い渡した。混記票の一部を無効とし、県選管が無効としていた「平山ひろゆき」「ひらやま文宏」などを平山氏の有効票と認めた。下野新聞などによると、再計算の結果、平山氏が小山田氏を3票上回る。判決は確定しておらず、県選管が上告するかどうかが今後の焦点になる。
1票、2票、3票。結果が裁決と判決のたびに入れ替わった。争われたのは、書き間違えた票に込められた「有権者の意思」をどこまで読み取るか、という選挙の基本だ。同じ名前の読みを持つ候補が並べば、どこの選挙でも起きうる。
投票用紙には候補者の名前を正確に書く。名字だけでも有効になることが多いが、似た名前の候補がいるときは、フルネームで正確に書くのが一番確かだ。
有権者の意思がはっきりしない票は無効にするのが原則だ。高裁の判断は筋が通っている。
多くの有権者は名字で候補を選ぶ。名字が書いてあれば意思は読み取れる、という県選管の見方にも理がある。
きょうの数字は「3票」。数え方の基準が変われば勝者が変わる。見るべきは、県選管が上告するかどうか。上告すれば、町政は最高裁の判断までさらに宙に浮く。
DailyDrop 日本版 第4号・2026年10月8日 朝刊