プルデンシャル生命、営業社員64人を解雇。報告書は「営業成績偏重」、社長ら報酬30%返納
プルデンシャル生命保険は10月8日、営業社員らが顧客から金銭をだまし取っていた問題で、外部の弁護士らによる第三者委員会(社外特別調査委員会)の調査報告書を公表した。報告書は、営業成績を重視する企業風土が不正の要因になり、経営陣がリスクを認識しながら改善策など適切な対応をとらなかったと結論づけた。会社は、営業社員らによる不正な金銭授受の被害額が約52億円に上ったと発表した。関与した営業社員157人(退職者を含む)を処分し、64人を懲戒解雇・諭旨解雇、68人を業務停止、25人を訓戒などとした。得丸博充社長ら役員3人は月額報酬の30%を3カ月、自主返納する。社長は午後の記者会見で「会社としての構造的な問題」だったと認め、謝罪した。再発防止策として報酬制度を見直して最低保証給を導入し、支社数を来年中に今の半分以下にする。金融庁は保険業法に基づく一部業務停止命令を出す方針で、期間は3カ月の見込みと報じられている。新規契約の販売は2月から自粛している。
顧客の信頼を売る生命保険で、100人を超える営業社員が関わった。報告書は個人の不正ではなく、成績で報酬が大きく変わる仕組みと、それを放置した経営に原因を置いた。金融庁の処分を前に、会社が自ら「構造」を認めたことになる。
プルデンシャルの契約者は、担当者から現金の預かりや別口座への振り込みを求められたことがないか確かめる。保険料は会社の正規の口座以外に払わないのが原則だ。補償の申請窓口は会社が案内している。
処分の人数、報酬制度の改定、支社の半減まで踏み込んだ。業界の慣行に切り込む中身だ。
経営陣は報酬の30%を3カ月返すだけで、職にとどまる。「リスクを知りながら放置した」と認定された側の責任としては軽い。
きょうの数字は「64人」より「最低保証給」だ。完全歩合に近い仕組みに底を設けることが、報告書の言う「営業成績偏重」への答えになるかどうか。見るべきは、金融庁の処分命令の中身と、経営責任をめぐる追加の判断。被害額は以前の報道(31億円)から増えており、まだ動く可能性がある。
DailyDrop 日本版 第4号・2026年10月8日 朝刊