国際·国際法 · 報道照合 ✓ 6社 · 制裁の範囲は公式発表未確認

ノーベル平和賞は元ICC判事のピレイ氏。米国は直後にICC本体を制裁、高市首相は「深く懸念」

ノルウェーのノーベル委員会は10月9日、2026年の平和賞を南アフリカ出身の法律家ナビ・ピレイ氏(85)に贈ると発表した。国連人権高等弁務官や国際刑事裁判所(ICC)の判事を務めた人で、平和と国際法の促進への貢献が授賞理由とされた。毎日新聞は、受賞時の年齢が歴代2番目だと伝えた。イスラエルは、ピレイ氏がガザでのジェノサイドを認定したことを理由に「憎悪と偏見を正当化する」と反発した。ICCの赤根智子所長は「国際司法の重要性が認められた」と述べた。発表の数時間後、ロイターは米国がICCを制裁対象にしたと報じた。米国は先に赤根所長ら個人を制裁しており、毎日新聞と朝日新聞は、今回はICC本体に及んだと伝えた。ICCは制裁を強く拒否すると表明した(共同通信の速報)。高市早苗首相はXに、日本の立場と相容れず深く懸念すると投稿し、必要な支援を続けるとした。ロシア最高検は8日、赤根所長らの身柄引き渡しをオランダなどに求めている。

授賞と制裁が同じ日に重なり、国際法を使って権力者を裁くという考え方が、大国の側から攻撃されている構図が見える。ICCの所長は日本人で、日本は裁判所を支える側にいる。日本の外交の立ち位置が試される。

暮らしへの直接の影響はない。ただ、ICCの活動が止まりやすくなれば、戦争犯罪の捜査が難しくなる。国際ニュースでICCの名前を見る機会は、今後も増える。

平和賞は、力による支配の横暴を戒めた授賞だ。法の支配を守る側に光を当てた。

米国やイスラエルは、ICCが政治的に動いていると主張する。受賞者を巡る対立は、授賞の意味より政治の分断を目立たせた。

きょうの数字は「85歳」。長い仕事に光が当たった一方、組織はいま制裁を受けている。見るべきは、制裁の具体的な範囲、ICCが銀行取引や給与の支払いなどの運営をどう続けるか、日本政府が「必要な支援」をどんな形で示すか。首相の投稿は懸念の表明にとどまっている。

DailyDrop 日本版 第6号・2026年10月10日 朝刊

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