日欧加8カ国がICC制裁に「強く反対」。茂木外相は米国務長官と赤根所長に相次ぎ電話
米財務省は10月9日、国際刑事裁判所(ICC)本体を制裁対象に指定した。8月にはICCの赤根智子所長を対象に加えており、今回は組織そのものに及んだ。これを受け、日本、英国、フランス、ドイツなど8カ国の外相は10日未明、「強く反対」する共同声明を出した(毎日新聞、時事通信)。EUは「あらゆる措置を講じる用意がある」と述べ、米国との対話の余地にも触れた。国連のグテレス事務総長は、ICCの今後に深い懸念を示した。赤根所長は「脅迫に屈しない」とビデオで述べ、イスラエルのネタニヤフ首相は制裁を称賛した。ノーベル平和賞のピレイ氏は、制裁を「受け入れられない」と語った(BBC)。茂木敏充外相は10日夜、ルビオ米国務長官に日本の立場を伝え、赤根所長とも電話で協議した(NHK、朝日新聞、毎日新聞)。
授賞と制裁が重なり、国際法で権力者を裁くという考え方が、大国の側から攻撃されている。ICCの所長は日本人で、日本は赤根所長を送り出し、裁判所を財政面でも支えてきた。一方で日本は安全保障で米国に頼り、国内に約6万人の米軍を置く(ジャパンタイムズ)。立場の板挟みが、外交の力量を試している。
暮らしに直接の影響はない。ただ、ICCの運営が止まりやすくなれば、戦争犯罪の捜査が難しくなる。日本の外交が、米国との関係と国際法の支持をどう両立させるかは、今後の外交や防衛の議論にもつながる。
法の支配を守るため、同盟国であっても反対すべきだ。8カ国の声明は、主要な民主主義国が連帯を示した意義がある。
米国は、ICCが政治的に動いていると主張する。安全保障を米国に頼る日本が、強く反対し続ければ、別の分野の関係に響くという懸念もある。
きょうの数字は「8カ国」。日本が声明に加わったことは大きい。見るべきは、制裁の具体的な範囲と猶予期間、ICCが給与や銀行取引をどう続けるか、そして日本が「必要な支援」をどんな形で示すか。声明の次の一手が、言葉にとどまるのか、資金や法的な支えにつながるのかで、今回の反対の重みが決まる。
DailyDrop 日本版 第7号・2026年10月11日 朝刊