社会·サイバー · 報道照合 ✓ 7社 · 件数は各社の発表で、攻撃の全体像は未確認

個人情報の流出が相次ぐ。「銀のさら」最大650万件、JR東海1.5万件、自治体の防災メールも。NICTは「A2B攻撃」に注意喚起

「銀のさら」などを運営する会社は10月13日、公式サイトとアプリの登録者の情報が、最大およそ650万件漏れた可能性があると発表した(NHK)。JR東海は、ネット通販のサイトで最大1万5000件の顧客情報が漏れた可能性があると明らかにした(NHK、朝日新聞)。ソフトバンクの子会社IDCフロンティアのシステムが受けたサイバー攻撃の影響とNHKは伝えた。自治体向けに災害情報のメールを提供するアルカディアは、第三者による不正アクセスが疑われる事案を確認した(NHK)。神奈川県綾瀬市では約1万1000人分(毎日新聞)、さいたま市では約3万5000件(日本テレビ)が漏れた可能性がある。情報通信研究機構は、公開されたアプリを解析して裏側のサーバーを狙う「A2B攻撃」が、一因だと注意を促した(日本経済新聞、ITmedia)。NHKは、AIエージェントが悪用された可能性があると伝えた。

名前やメールアドレス、住所は、詐欺メールや不正な勧誘に使われうる。防災メールは災害時の連絡網で、配信が止まれば住民への情報伝達にも響く。多くの被害が外部委託先や共通の仕組みを入口にしており、1社の問題が多くの組織に波及する構図だ(毎日新聞)。

心当たりのある会社や自治体の公式な発表を確かめ、メールの本文のリンクは開かない。パスワードを使い回している人は、変えておく。防災メールが届かなくなった地域の人は、自治体の公式サイトや防災無線など、別の手段も確かめたい。

委託先を含めた安全管理を、企業や自治体に厳しく義務づける必要がある。国が注意喚起に頼る現状では、被害を防げない。

攻撃の手口が高度になり、流出を完全に防ぐのは難しい。流出を前提に、利用者がパスワードの使い分けや本人確認の強化で備えるほうが現実的だという専門家の声もある。

きょうの数字は「650万件」。「銀のさら」の運営会社が公表した、漏れた可能性がある登録者情報の最大の件数で、実際に漏れた件数ではない。見るべきは、各社が実際の流出件数を確定するか、A2B攻撃のような共通の入口への対策が進むか、そして国が注意喚起を超える対策に動くかだ。AIエージェントの悪用は可能性の段階で、断定はできない。

DailyDrop 日本版 第10号・2026年10月14日 朝刊

今日の一面を読む →