国際·中東 · 報道照合 ✓ 8社 · 被害の程度と原油の値は一部未確認

フーシ派がサウジアラムコ本社を攻撃、サウジ側も首都サヌア近郊を空爆。外務省はサウジ全土の危険情報を引き上げ

サウジアラビアと、隣国イエメンの武装組織フーシ派の攻撃の応酬が続いている。日本時間10月14日未明、東部ダーランにある国営石油会社サウジアラムコの本社付近で爆発音が響き(ロイター、毎日新聞)、サウジのエネルギー省は、管理棟が攻撃を受けて火災が起きたと明らかにした(NHK)。ロイターは関係者の話として本社が広範な被害を受けたと伝えたが、ジャパンタイムズは限定的な火災だったと報じており、被害の程度は食い違う。フーシ派は首都サヌアへの攻撃への報復だと主張し(時事通信)、サウジの空港や石油施設へのさらなる攻撃を予告した(ロイター)。サウジ主導の連合軍は、サヌア近郊の石油関連施設を空爆していた(BBC、ガーディアン、朝日新聞)。NHKによると、双方は13日に、相手側の石油施設にいる民間人らに退避を通告していた。トランプ米大統領は、フーシ派が米中間選挙を前に原油価格を押し上げようとしていると述べた(ロイター、朝日新聞)。外務省は14日、サウジ全土の危険情報を引き上げ、不要不急の渡航の中止を求めた(毎日新聞、時事通信)。

サウジは日本が原油を多く頼る産油国の一つで、アラムコは世界最大級の石油会社だ。本社が狙われれば、供給への不安から原油相場が上がりやすい。原油が上がれば、米国のインフレや、日本のガソリンや電気の価格にも響く。ホルムズ海峡の船舶への攻撃も続いており(ロイター)、輸送の不安も重なる。

ガソリンや灯油の価格は、原油相場に遅れて反映される。サウジを含む中東に出張や旅行の予定がある人は、外務省の海外安全情報と航空会社の運航情報を確かめ、予定の見直しを考えたい。

産油の中枢への攻撃は、世界のエネルギー供給を脅かす。サウジの防衛と、攻撃を抑止する連合軍の行動には理由がある。

攻撃の応酬は、双方が民間人に退避を求めるほど拡大している。空爆と報復が続けば、地域全体の戦争に広がる。外交による歯止めが先だ。

きょうの数字は「95.09ドル」。WTI原油の11月物の14日の清算値で、ファイナンシャルジュースが伝えた。見るべきは三つある。フーシ派が予告した空港や石油施設への攻撃が実際に起きるか、アラムコの被害の実態、そして原油高が米国のインフレと日本の物価にどう波及するかだ。被害の程度が食い違う段階では、数字や見出しの強さに引きずられないようにしたい。

DailyDrop 日本版 第11号・2026年10月15日 朝刊

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