個人情報の流出が止まらない。ブックオフは638万人分、防災メール配信では最大313万件、広島県警の職員情報も
不正アクセスによる個人情報の流出が、企業、自治体、警察へと広がった。ブックオフは、642万件余りの会員データが外部に送られたことを確認し、メールアドレスで重複を除くと638万3,279人分で、うち21万2,371人は退会者だったと発表した(ITmedia、電ファミニコゲーマー、Yahoo!ニュース)。「アエナ」は最大81万7,000人分の流出のおそれを公表し(朝日新聞、ITmedia)、「ゆめタウン」を展開するイズミは、会員情報が最大約40万件漏れた可能性があると明らかにした(NHK)。ITmediaは、全国約700の自治体が使う防災情報配信システムへの不正アクセスで、メールアドレスが最大313万件漏れたおそれがあると伝えた。毎日新聞は、運営会社「アルカディア」への不正アクセスで津市のメールアドレス約2.4万件が漏れた可能性があるとし、松阪市、鈴鹿市、長崎県内の複数の自治体などでも流出のおそれが公表されたと報じた。広島県警では、警察官や職員の個人情報が漏れた可能性が明らかになった(NHK)。IDCフロンティアは14日付の第5報で、同社のクラウドサービスが7日午前3時40分ごろから第三者の不正アクセスを受けて障害が続いていると説明した。会社は「データ流出なし」としたが(47NEWS)、JR東海などの利用企業は、閲覧された可能性を否定できないとして公表している(ITmedia)。
流出した氏名、住所、メールアドレス、クレジットカードの下4桁などは、カード会社を名乗る不審なメールの標的になりうる。実際に、一部の自治体の対象のメールアドレスには、そうしたメールがすでに届いているという(ITmedia)。複数の事業者が同じクラウド基盤を使うため、一つの侵入が広い範囲に及ぶ。防災情報の配信が止まれば、災害時の連絡手段にも影響する。総務省消防庁は自治体に、防災情報の伝達手段を確保するよう要請した(時事通信)。
対象の企業や自治体から通知が来たら、公式サイトで内容を確かめる。メールやショートメッセージのリンクは開かず、カード会社などを名乗る連絡は、公式アプリや電話番号から問い合わせる。パスワードの使い回しは避け、不審な請求がないか、カードの明細を見る。
公表が相次ぎ、対策も動き出した。警察庁は米マイクロソフトと共同で、フィッシング詐欺ツールの販売サイトを止めた(時事通信、朝日新聞)。公表の積み重ねが、被害の拡大を防ぐ。
流出が止まらないのは、委託先やクラウドを含む管理の甘さが背景にある。企業や自治体は、委託先まで含めて安全を確かめる責任を問われる。事後の公表だけでは、不安は消えない。
きょうの数字は「77%」。NHKの世論調査で、個人情報が流出する不安を感じると答えた人の割合だ。見るべきは三つある。IDCフロンティアの調査で原因と範囲がどこまで明らかになるか、流出したデータを使った詐欺メールが増えるか、そして自治体が防災メールの代わりの手段をどう確保するかだ。AI企業アンソロピックの共同創業者が、AIがサイバー攻撃の増加の一因になっていると述べたと報じられた(毎日新聞、NHK)。攻撃の手口が変わる可能性を示すが、今回の流出との関係は確認できていない。
DailyDrop 日本版 第11号・2026年10月15日 朝刊