国慶の夜の式典は9日、新北市の板橋で開かれ、頼総統はあいさつで、韓国瑜氏と与野党の立法委員に総予算と追加予算への支持を求めた。卓栄泰氏と韓国瑜氏は壇下で握手した(中央社、自由時報、民視)。エスワティニのムスワティ3世国王は9日から17日まで訪台し、20度目の訪台となる。頼総統は軍の礼で出迎えて国賓晩餐会を開いた。外交部は、国王が台湾とエスワティニの刑事司法共助協定の署名に立ち会うと説明している(中央社、自由時報)。林佳龍氏は、5月の頼総統のエスワティニ訪問で乗った専用機は国王が差し向けたものだったと述べた。9日午前、中国海警船4隻が2組に分かれて金門の制限水域に入り、海巡艇が1隻ずつ並走して退去を求め、約2時間後に去った(中央社、自由時報、民視)。自由時報はこのほか、中国軍機が南西の空域に接近したと報じたが、第二の報道機関による確認はまだ見当たらない。
総予算は、政府が来年の1年間に何をできるかの前提になる。頼総統が国慶の夜の式典で立法院長の名を公然と挙げたのは、行政院が与野党の膠着を表に出したいことを示す。外交関係を持つ国の元首が国慶の時期に訪れることは、台湾が公式の関係を対外的に示せる数少ない機会だ。グレーゾーンの行動は、軍事衝突を引き起こさない範囲で、海域の常態を少しずつ変えていく。
予算が長く通らなければ、影響を受けるのは各種の補助、公共工事、兵器調達の日程だ。一般の人にとっては、賃金、育児、介護の政策は予算の成立後でなければ実施されない。連休に出かける読者は、10日から12日の総統府周辺の交通規制と、風上側の所により雨に注意してほしい。金門や離島の住民、漁業者は、中国海警船に出会う機会が増えるかもしれない。
与野党とも国慶の前夜に歩み寄りの姿勢を見せており、予算は次の会期の前半までに審議を終えられる見込みがある。海巡署が対応をすぐに公表したことも、法執行の透明性を示している。
壇上の呼びかけも壇下の握手も、立法院の議席数や手続きを変えない。海警船は毎回、国慶の前後に現れ、台湾の反応を試している。一度ごとの退去は対症療法にすぎない。
きょう見るべきは三つ。頼総統の国慶談話が予算と両岸に触れるか、総統府が公表する原稿が式典前の予告と一致するか。台湾とエスワティニの刑事司法共助協定が署名され、内容が公表されるか。そして海巡署と国防部が連休中に出す続報。連休中に中国海警や軍用機の活動が増え続けるなら、政府は回数と航跡をより詳しく公表すべきだ。
中央社 · 自由時報 · 民視 · 鏡週刊 · 海巡署の発表文 · 外交部の説明(10月9日)
国慶の夜の式典、初めて新北市で 頼総統は与野党に総予算の速やかな審議を呼びかけ 中国海警船4隻、金門の制限水域に約2時間侵入
エスワティニのムスワティ3世国王が20度目の訪台。きょう(10/10)は総統府前で国慶式典が開かれる。夜の式典での予算への呼びかけと、海上でのにらみ合いが、この国慶前夜の二つの柱だった。
国慶の夜の式典は9日夜、新北市の板橋第一運動場で開かれた。式典を新北市が主催するのは初めてだ。頼清徳総統はあいさつで、韓国瑜立法院長と各党の立法委員の名を挙げ、中央政府の総予算と追加予算を支持し、できるだけ早く審議を終えるよう求めた。中央社、自由時報、民視がこの発言を報じている。頼総統は、総予算は政策を進められるかどうかのカギだと述べ、昨年の予算審議が大きく遅れたことにも触れた。壇下では卓栄泰行政院長が自ら韓国瑜氏に握手を求め、韓氏も握り返して、会場の雰囲気は和やかだった。ただ、立法院での予算の手続きがそれで変わるわけではなく、一度の握手は与野党の合意を意味しない。頼総統はあいさつで、賃金の伸びや、育児と介護の負担を軽くすることにも言及した。なお中央社は式典前に、頼総統のきょうの国慶談話は、経済の成果、暮らし、国際社会への貢献の三つを軸にすると予告している。これは式典前の報道であり、談話の実際の中身は総統府の公表を待つ必要がある。
外交では、エスワティニのムスワティ3世国王が9日から使節団を率いて訪台した。日程は17日までで、1986年の即位から数えて20度目の訪台となる。頼総統は当日、軍の礼で出迎え、総統府で国賓晩餐会を開いて歓待した(中央社、自由時報)。林佳龍外交部長は、今年5月に頼総統がエスワティニを訪れた際、往復とも国王が差し向けた専用機を使ったと述べ、台湾が外交封鎖を破るうえでの実質的な支持だと語った。外交部によると、国王は今回、国慶大典とレセプションにも出席し、台湾とエスワティニによる刑事司法共助協定の署名にも立ち会う。この協定はまだ署名されておらず、条文は外交部の公表を待つ必要がある。エスワティニは台湾と外交関係を持つ国の一つで、国王が訪れるたびに、台湾の国際的な存在感を高める助けになる。
国慶の前夜は、海上も穏やかではなかった。海巡署の金馬澎分署によると、9日午前9時10分ごろ、中国海警船4隻が2組に分かれ、料羅の東と南西から金門の制限水域に入った。海巡艇は1隻ずつ並走して接近監視し、中国語と英語の放送で退去を求めた。午前11時13分に4隻はすべて去り、前後で約2時間だった(中央社、自由時報、民視、鏡週刊などの報道。詳細は海巡署の発表文による)。海巡署は、国慶の期間はグレーゾーンの嫌がらせや認知戦が中国にとって仕掛けやすい時期だとして、終日の監視を続けていると指摘した。自由時報はこのほか、中国軍機が台湾南西の空域に接近し、国軍が放送で退去を求めたと独自に報じた。いまのところ同紙だけの報道であり、本紙は未確認として扱う。これらを並べてみる。国内の焦点は予算が立法院を通るかどうか、対外の焦点は外交関係と国防の安全である。DailyDropは、国慶談話は北京、米国、国内への三重のシグナルと読まれがちだが、シグナルがあるかどうかは談話の原稿の文言で判断すべきで、式典前の推測で決めるべきではないと考える。きょう外出する読者は、総統府周辺の道路が10日から12日まで段階的に交通規制される点にも注意したい。気象の報道では、北部と東半部の風上側で所により雨が降る。